アクリル材のお手入れ方法、検証してみた
唐突に始めます…
このHPの「よくあるご質問」に、”製品のお手入れ方法を教えてください”という項目で紹介してます。
アクリル板加工|三協樹脂工作所| よくあるご質問 (sankyojushi.co.jp)
こちらの文書だけでは分かりにくいので、実際にこの通りにお手入れした状況をリポートしようと思い立ちました。
どんな洗剤を使いましょうか…
洗浄洗剤は様々な製品が出回っております。ですが、以下の様な品は使用NGです。
・ガラス洗浄用スプレー缶の溶剤成分
・アルコールを含んでいる洗剤
これらはアクリル材を痛めてしまいます。症状としては、霧がかかった様な曇りや細かいひび割れが発生します。こうなると元の輝きを取り戻す事は望めません。
そこでお薦めするのが、台所用中性洗剤…ですが、それ以外に良い方法はないかと検索し、こんな品を見つけました。
スペースショット
こちらは工業系通販の「Monotaro」で入手しました。
効果は画像を御覧頂くとして、その中でも注目なのはこれまでに洗浄洗剤で堂々と「アクリル板にも使用できる」と明記されたものは見た事がありませんでしたので、期待が高まります。
今回はこれらを比較検証いたします。
使用方法を説明しよう!!
使用方法はどちらも共通で、水道水と混ぜ合わせ、霧吹きで吹きかけた後に布で拭き取ります。
混合比率は以下の通りです。
Aは台所用中性洗剤 1(銘柄不明の徳用サイズ・詰め替え用):水20
以前は洗剤と水の混合比率を【洗剤1:水10】と記してましたが、現在は少ない量での洗浄力や泡立ちがUPしている分、水の比率を増やしました。(容器の「剤」の字を「材」と書いてから上書きしてます。ゴメンナサイ…)
対してBは、スペースショット1:水4となります。
これらの液体を目が細かく柔らかい布(サラシやTシャツ生地が理想です。)に吹きかけて拭きます。
洗浄する相手は、たまたま手元にあった黒色のケース土台です。
これを作業場に数週間野放しにして、手あかやホコリが付く様にしておきました。
結構な状態です。今回の検証にうってつけのサンプル。相手に不足はございません。
では、やってみましょうか…
ここから検証開始です。
(撮影した際にスマートフォンが写り込んでいます。ゴメンナサイ…)
A:洗剤だと、洗剤の泡と共に拭きあとが残り、蒸発した際にその模様が残ります。ですので、拭き残しをカラ拭きで取り去る必要があります。
B:スペースショットは拭きあとが残るものの、数十秒で拭きあとが消えます。
拭き取った後の汚れ落ちや輝きは、どちらも仕上がりが良く、充分に目的を果たしています。
上の画像は、正面左半分がA、対して右半分がBで拭き取りをした状態です。 背景や天井が写り込むほど、綺麗になりました。
検証結果をまとめましょう!!
中性洗剤は、表面に残った液をカラ拭きする手間が出ます。中性洗剤での「泡残り」が解消されれば、手軽さでは断然優位だと思いました。
一方でスペースショットはアクリル材への被害は見当たらず、使い勝手も非常に好感触ですが、利用コストが割高な事(中性洗剤の10倍)や、入手方法が限られている事が難点にあげられます。
数週間、この2種類を社員に作業の際に使用してもらいました。2種類の霧吹きを並べた画像を見ての通り、スペースショットの方が減りが早く、実際に使い勝手が良かったと思います。
この結果を受けて…
今後は、中性洗剤での泡残り解消と洗浄性を損なわない【黄金比率】 を追い求めたいです。
どちらの洗剤も使い続けて、改めて報告出来るように検証を続けます。